史跡佐渡金銀山遺跡 保存整備に関する会議

史跡佐渡金銀山遺跡の保存整備に関する専門家会議が、このほどきらりうむ佐渡などで開かれ、主に、現在の相川郷土博物館御料局佐渡支庁跡、旧鉱山本部事務所の建物について話し合われました。

この会議は、佐渡金銀山遺跡の建造物の調査、管理運営、保存活用について専門家から意見を聞くために開催されているものです。
この日は、考古学や鉱山史、中世史などを専門とする大学教授や、佐渡市世界遺産推進課の職員などオンラインも含め18人が出席しました。
その後、非公開で行われた会議では、令和2年度に設計を策定し令和4年度から耐震改修が行われている、現在の相川郷土博物館御料局佐渡支庁跡、旧鉱山本部事務所の建物について話し合われました。

御料局佐渡支庁跡と旧鉱山本部事務所、ほか数棟の建物群は、敷地全域が平成6年に国史跡に指定されています。
明治22年に佐渡鉱山の管理を行うために建設された旧鉱山本部事務所は、今回の耐震改修のための調査で、工部省の一つの可能性が出てきたことが分かりました。
工部省とは鉄道や造船、道路、鉱山などを管轄していた日本の近代化を進めた明治政府の行政機関です。
そして、全国的にその工部省の建物があまり残っていないことなどから調査で確定すれば、建築物の価値がさらに高まるという報告がありました。
専門家会議の北野博司座長は、旧鉱山本部の事務所の建物が工部省管理時代の建築の可能性が判明したことは、建築的な価値をさらに高める調査結果であるとし、日本の近代鉱山史の変遷を如実に示す史跡となり得ることから、金銀山史跡の中でも中核的な施設となり、整備に向けた意義がいっそう高まったと会議の感想を述べました。
なお、相川郷土博物館御料局佐渡支庁跡、旧鉱山本部事務所の調査は、引き続き行われており、耐震改修は今年度いっぱいの完了を目指しています。

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