カエルへの愛を叫ぶシンポジウム

10月月9日、カエルを知り好きになってもらおうと、佐渡島でカエルへの愛を叫ぶシンポジウムが開かれました。

このシンポジウムは、絶滅危惧1B類にもなっている佐渡の固有種の「サドガエル」がトキほど注目を浴びていないことなどから、カエルを知ることから好きになってもらい、カエルが生きていくために人々が行動を起こすきっかけにしてもらうことを目的に新潟大学佐渡自然共生科学センターが主催しました。
シンポジウムでは、カエルなどの研究者らが、それぞれの分野からカエルの面白さやカエルへの思いを熱く語りました。
その中で、今回は2020年の東京オリンピック ボクシング 女子フェザー級で金メダルを獲得し、現在は東京農工大学修士1年生の入江聖奈さんも登壇しました。

入江さんは、カエルへ興味を持ったきっかけについて語った上で、カエルを本格的に研究しようと思った理由については、金メダル獲得後、カエル好きとして有名になり、より真剣に学んでみようと思ったと話しました。
入江さんは現在、東京都のレッドリストに登録されているヒキガエルが、「なぜ都会で生息できるのか?」という疑問を抱いているとして、今後の研究テーマにしたいと展望を語りました。
また、自身がオリンピックに出場し金メダルを獲得していることから、東京オリンピックの金メダルは、ヒキガエル何匹分でしょうかなどとクイズを出し、参加者を楽しませながら講演を行っていました。

このほか、新潟大学佐渡自然共生科学センター森林領域准教授の阿部晴恵は、ヤマアカガエル、モリアオガエルは、本州と佐渡で遺伝的に分かれている事を説明し、佐渡固有種のサドガエルに限らず、在来種のカエルなども、遺伝的に固有の集団であることが分かってきていることなどを説明しました。
また、昭和大学富士山麓自然生・物研究所講師の宅森美優さんは、サドガエルの個体数の減少理由には、水田で6月頃を行われる中干しとサドガエルが飛び上がっても抜け出すことができない深さ30cm以上のコンクリート製の用水路が関係していると考えを示しました。

参加者らは、登壇者それぞれのカエルへの愛を真剣に聞いていました。
参加者「そんなに詳しくないんで、色々勉強できるかなと思って来ました。研究者の方ってここまで調べてるんだってすごい感心することもあったし、いろんな手法があるので面白かったです。」
新潟大学佐渡自然共生科学センターによると、今回のシンポジウムには対面、オンライン合わせておよそ230名が参加したそうで、多くの人がカエルへの興味を深めたようです。
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