昨年の大雪被害概要まとまる

佐渡市はこのほど、昨年12月に市内で発生した大雪災害について、被害規模や市の対応状況、及び長期停電を招いた原因や課題、今後の対策などをまとめた報告書を作成しました。

佐渡市では、昨年12月18日から19日にかけて降った大雪で、木や竹が倒れて電線にかかり、市内138地区で1日最大7,800戸、のべ17,200戸の広範囲で停電が発生しました。
また、23日から24日にかけても湿った雪が大量に降ったため、再び倒木、倒竹が多数発生し停電が長期化。一部を除き発生から9日後の27日にようやく復旧するという大規模な災害になりました。
市道や林道などの倒木や倒竹の処理など、復旧に要した費用は今年10月時点でおよそ3億3,397万3,000円に上っています。

長期間の停電に対し市では、支所や行政サービスセンターなど、地域に避難所を設置しのべ236人が避難しました。避難が難しい住民に対しては、市の職員が訪問し食料や水、カイロなどを配る対応を実施。ホテルや旅館などを利用した入浴施設の無料開放や炊き出しも行いました。入浴は、11日間でのべ3,267人が利用しています。
停電が長期化した原因としては、倒木、倒竹が道路をふさいでいたことで除雪作業が遅れ、停電の復旧作業がなかなか進まなかったことが挙げられています。木や竹は、民有地に関わるものが多く、所有者の高齢化により適切な管理が難しくなっているのも被害の拡大につながりました。対策として市では、被害の大きかった地区を優先的に森林整備を実施。新潟県、東北電力やNTTと連携して電線周りの支障となる木を伐採します。
また、長期停電により通信手段が途絶えた地区もあり、情報発信や伝達に課題を残しました。通信インフラの確保として、事業者と連携した復旧機材の迅速な手配や、携帯電話中継局の電源喪失に備えた発電機や燃料の運搬支援を行うとしています。

報告書では、これまで雪害などによる長期停電の想定がなかった地域防災計画も見直し、市民の安全安心な生活が確保できるよう、防災対策に引き続き取り組んでいくと結んでいます。
なお、広報佐渡11月号では、昨年の大雪災害を教訓に冬期間に向けた市や関係機関の対策内容を掲載するとともに市民に対し災害への備えを呼びかけています。佐渡市では、今回まとめた報告書の内容についてホームページなどへの掲載を検討しているということです。
最新情報をチェックしよう!