実践交え「生きもの調査」学ぶ

このほど、朱鷺と暮らす里づくり推進フォーラムが開催され、参加者は「生きもの調査」をテーマに実践を交えながら学びました。

「実践研修生きもの調査」と題された研修会は、朱鷺と暮らす里づくり推進協議会が主催したもので、朱鷺と暮らす里づくり認証制度に取り組む農家や、生物多様性の農業に興味がある市民などおよそ50人が参加しました。
研修会では、まず株式会社全農ビジネスサポートの山崎敏彦さんが、生きもの調査が始まった経緯などを説明した後、田植えや稲刈りなどの農業体験との違いを説明しました。 
田植えや稲刈りなどの農業体験は農と食の2者の関係であるのに対し、生きもの調査は、そこに環境が加わることで、生きものの視点で田んぼを見ることができ、田んぼを取り囲む環境にまで視野が広がる。いきもの調査は、田んぼを単なる食料を作る場だけでなく生態系を維持し、自然を守っていることを体験でき、次世代に農業をつなぐ大切な活動であると説明しました。  

また、元県の農業普及指導員で現在全国で生きもの調査の指導を行っている服部謙次さんからは、生きもの調査を活用した害虫の発生対応型防除について話がありました。  
服部さんは生きもの調査を行うことで田んぼにいる害虫の発生量を把握でき、必要以上の農薬を使うことが防げるとし、実際に島内で行った調査では農薬削減により年間200万円のコストダウンに成功したと説明。
認証米のために生きもの調査をやっていると思うが、害虫を観察するという本来の目的に今一度立ち返るのも良いのではないかと参加者に訴えました。
その後、講義を終えた参加者はトキ交流会館横にある無農薬栽培の田んぼに移動し、いきもの調査を行いました。
参加者は網と虫かごを手に、田んぼの中へと進みながら目を凝らしながら生きものを探します。
見つけた生物は、資料などと照らし合わせながら 害虫なのか益虫なのか調べていきました。  
およそ30分の生きもの調査で見つかった生物は、46種類で参加者は多くの生きものが田んぼに育まれていることを実感していました。
磯部健一郎会長「改めて田んぼの害虫だけではなくて、益虫など様々な生物が共存してるっていうところを考えると、果たして全てに影響するような農薬の使用とか、タイミングとか使い方を考える一つのきっかけにもなるんではないかなと思います。そういう意味で自らの田んぼの虫の状況などがどういう風になってるかっていうのは、管理においてこれから重視すべきところになると思いますね。 」
朱鷺と暮らす里づくり推進協議会では、今後も生きもの調査を行いながら、生産者と消費者が共に環境について考える機会を作っていきたいとしています。

最新情報をチェックしよう!