味覚の授業 五感で料理を楽しむ大切さ学ぶ

佐渡出身で横浜グランドインターコンチネンタルホテルの名誉総料理長を務めたシェフの岸義明さんが11月6日、畑野小学校で味覚の授業を行いました。

味覚の授業は、フランスでは30年以上前から行われている食育です。今年2月に畑野小学校が行った地産地消100%の昼食づくりに感銘を受けたという岸さんが、自分も佐渡のために何かをしたいという思いから今回の授業が実現しました。
この日、児童らは五つの味覚についてと、五感を使って食べることの大切さや食の楽しさを学びました。
まず基本の味覚として塩味・酸味・苦味・甘味の四つがあることを教わり、そのサンプルとして塩や酢、ブラックチョコや砂糖を味わいました。

児童たちは、何度も舐めて感じ方を確認し、酢の匂いには鼻をつまんで顔をしかめる姿も見られました。
また、近年第五の味覚として話題になることもあるうま味についても紹介され、そのサンプルとして岸さんが前日の朝から夕方まで、長い時間をかけて仕込んだコンソメスープを味わいました。
料理を味わうには、五感が大切だという岸さんは、児童たちに実験としてお菓子を配ります。

児童らが鼻をつまみ、目を閉じてお菓子を口へ運ぶと・・・。
岸さんは、視覚と嗅覚をなくすだけで味がしなくなることを教え、味覚を鍛えるためにも、五感をフル活用して食べてほしいと伝えます。
テレビを見ながら、ゲームをしながら食べるなどのいわゆる「ながら食い」や「早食い」のように食事に集中できない環境で食事をしないで欲しいと伝えました。

しかし、ただ味だけに集中をして食べても楽しくないと思うので、是非、友達や家族とおしゃべりをしたり、楽しみながら料理を味わってほしい。そして時々でいいので、料理を作ってくれた人に「おいしい」と伝えてほしいとも話しました。
岸義明さん「子どもたちが一生懸命真面目に話を聞いてくれて、メモをとってくれてたのがすごく嬉しいです。この後も佐渡のために別の小学校でも機会があれば、食育の授業を広げていって、小学校低学年がのうちに食育の授業を受けてもらい、食に対する意識を強くしてもらって、料理人やレストランの発展につなげていけたら嬉しいと思います。そういうことをやるのが我々料理人の使命だと思ってます。」
子どもたちは、授業を通し五感で食事を楽しむことや、食事を用意してくれた人へ感謝することの大切さを学んだようでした。
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