世界遺産登録に向け一致団結

12月16日、佐渡の金山の世界遺産登録に向け島民の一致団結を図ろうとシンポジウムが開催されました。

この佐渡世界遺産登録島民団結シンポジウムは、四半世紀の様々な活動や取り組みにより世界遺産登録が実を結ぼうとしている今、観光資源の磨き上げや登録後の活用などについて意見を交わしながら、島民の一致団結を図ろうと佐渡市が開催したものです。
第一部の基調講演では、観光庁の竹内大一郎観光資源課長が「地域の観光資源の磨き上げについて」と題し講演を行いました。
竹内課長は観光資源とは、地域で育まれた歴史・自然・文化などに眠っている地域素材であると説明し、それを磨き上げることで新規顧客の獲得、滞在日数の長期化、観光消費の向上につながると述べました。

また、世界遺産登録された地域の訪問者数の推移を示し、訪問者数が伸び悩む要因として「価値が伝わらない」「アクセスの悪さ」などの要因を挙げ、その対応として世界遺産を活かしつつ、地域が持つストーリーの発信や観光資源を磨き上げた特別な体験など、多様な観光コンテンツの造成が必要であると述べました。
続いて「世界遺産登録までの道のりと登録後の活用」と題して、屋久島町の岩川健地域振興係長が講演を行いました。
平成5年に世界自然遺産、平成17年にラムサール条約湿地、平成28年にユネスコエコパークに登録され、ユネスコ三冠を持つ屋久島町。

アニメ映画のモデルとして描かれたこともあり、入り込み客数は年々増加する一方で、屋久杉のトレッキングルートにあるトイレのし尿増大が大きな課題となり、平成29年から山岳部環境保全協力金を導入し、し尿処理や環境問題への対策に充てていると紹介しました。
また、リピーターが2割程度と他の離島に比べて低く、屋久杉以外の多様な資源を行かせていないことも課題としてあげ、今後は里めぐりツアーや鹿肉のジビエ加工など、屋久島独自の観光資源を活用したコンテンツを磨き上げていきたいと思いを述べました。
第2部のパネルディスカッションでは、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部篠原靖准教授をコーディネーターに、基調講演を行った2人のほか、渡辺竜五市長など5人をパネリストに世界遺産登録後の島の未来について意見を交わしました。

また、会場内の観光業や一次産業、交通事業者などから意見を求められると新航空路の開設や宿泊、食品の高付加価値化など、今後の様々なキーワードが飛び交っていました。
最後に羽茂高校の生徒4人が世界遺産登録への思いを発表しました。
羽茂高校生徒「我々高校生には、到底考えも及ばないような非常に高度なお話を色々と伺うことができたので、一島民として金山に対する理解もかなり深まりましたし、個人的な造詣も深まってかなり良い経験になりました。」

来場者は、島の未来を担う若者たちの真摯な発表を聞き登録実現に向け、気持ちを一つにしていました。
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