イコモスの現地調査 8月24日~30日実施

8月31日、文化庁などが新潟県庁で記者会見を開き、佐渡の金山の世界文化遺産登録に関わるイコモスの現地調査が、8月24日から30日の1週間行われたことを発表しました。今回の調査は、イコモスの要請で全て非公開で行われ、地元の協力民間団体などにも、一切知らされていませんでした。国によると、イコモスは今後も調査、審査を続け、来年春頃に佐渡の金山が登録にふさわしいのかユネスコに勧告する予定です。

会見には国や県、市の幹部4人が出席し、はじめに文化庁の文化資源活用課の大川晃平室長が現地調査の概要を説明し、8月24日から30日までの7日間にわたって実施されたことを明らかにしました。
構成資産に関わる遺構の状況や、保全管理状態、及び地域の協力体制などが聞き取られたとしました。
受け入れた国や県、市の担当者は、それらの質問について丁寧に説明し、一定の理解を得られたと感触を述べました。

今回は、イコモスが静謐(せいひつ)な環境での調査を望んだため、調査期間はもとより調査員の人数なども、一切非公開で行われました。
会見でも、詳細な調査内容は示されず手応えがあったかどうかの質問にも、具体的には答えませんでした。
しかし、会見に臨んだ担当者は、一様に無事に終わった現地調査に胸をなで下ろしている様子が伺えました。

ボランティアガイドなど、民間の協力団にも一切知らされず行われた現地調査でしたが、佐渡を世界遺産にする会では、これでまた一歩前進したと登録への期待を高めています。
今後は、イコモスによって来年1月末までに行われる非公開の中間報告を経て、来年春頃に佐渡の金山が世界遺産にふさわしいか勧告される予定です。
勧告には、「記載」「情報照会」「記載延期」「不記載」の4段階があり、「不記載」になると例外を除き再推薦は不可となり、実質登録される可能性はなくなります。
ユネスコでは、このイコモスの勧告を踏まえ、来年夏頃をめどに開催される、世界遺産委員会での登録の可否を審議します。

最新情報をチェックしよう!