観光交流シンポジウムで戦略提案

佐渡市観光交流シンポジウムが、7月23日金井コミュニティセンターで開催され、今後の佐渡観光交流戦略などについて意見交換が行われました。

シンポジウムでは、まず佐渡市から観光交流と暮らしが連動する観光地域づくりについてどのような戦略を持って臨むのか報告が行われました。
取り組む方向性としては、地域内外が連携した高付加価値観光の推進や、データやエビデンスに基づいた観光政策とマーケティングを挙げ、地域住民を含めた多様な関係者が観光地域づくりに参画することにより、地域コミュニティ全体の持続的な活性化を図ることを目指すとしています。
戦略の期間は、令和15年までの10年間とし、毎年必要に応じ見直しを図る予定です。

続いて、観光庁の観光地域づくり法人支援室長の坂井志保さんが『観光の現状と今後の取り組み』と題して基調講演を行いました。
観光がもたらす効果や、コロナ禍による観光への影響をデータを用いながら、説明するとともに、コロナを境に旅行者の持続可能な観光への関心が、今後の観光戦略のキーポイントだとしました。
その上で、観光地域づくりの課題として、地域住民含む多様な関係者の巻き込みや継続的なデータの収集分析、顧客視点の発想に立脚した戦略策定などが不十分とします。
それらを解決するためには、マーケティング、関係者の合意形成、メリットの地域還流、消費を促す工夫、旅行者目線の5つが重要とし、その要素が観光地域づくりには欠かせないと指摘しました。
シンポジウム最後には、コーディネーターに佐渡市総合戦略アドバイザーの岩浅有記さん、パネリストに渡辺竜五市長や新潟観光カリスマのなぐも友美さんなどを迎え、パネルディスカッションが行われました。
一般社団法人佐渡観光交流機構からパネリストとして参加した山本尚代さんは、旅行商品を磨き上げ、それに見合った対価をいただくことも、持続可能な観光につながるとし、それを対外的に発信していくことがDMOとしての役割だと述べました。
なぐもさんは、観光客と受け入れ側の地域の人たちがきちんとコミュニケーションがとれているのか疑問を感じる場面もあると指摘。
観光地に選んでくれたという感謝の気持ちが相手に伝わると、それがリピート、そして将来的な移住にもつながっていくのではと持論を述べました。
坂井さんからは、国でも財政的な支援を用意しているので活かしてほしいとエールが送られました。
渡辺市長は、佐渡の自然、文化、歴史は大きな魅力があり、それをどうやって地域づくりにつなげていくかが課題だと強調。
最後に岩浅さんが、その地域の自然、文化を尊重し持続可能な観光に関心を寄せる観光客が増えている。そういった人たちを取り込んでいくことが観光地域づくりにとっては、大切だと持論を展開しました。
会場には、観光による地域づくりに関心が高い市民が集まり、今後の観光のあり方に熱心に耳を傾けていました。

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