有識者招き生物多様性育む国際会議

生物の多様性を育む国際会議が11月18日、19日の2日間島内で開催され、生物多様性保全や脱炭素などをテーマにしたこれからの農業について有識者などを招き考えました。

生物の多様性を育む国際会議は、生物多様性を基盤とした地域循環型の農業技術の確立と国内外への普及を最終目標とする会議で、その英訳の頭文字を取ってICEBA(アイセバ)と呼ばれています。2010年に始まり、今回が6回目で佐渡では、2012年に一度開催されています。
1日目のこの日は開会式に続き、NPO法人ラムサールネットワーク日本の呉地正行理事と過去の開催地である栃木県小山市の浅野正富市長、そして渡辺竜五佐渡市長の3人がまずICEBAの歴史を振り返りました。
呉地さんは、国際シンポジウムや関連イベントの開催など、これまでの取組みを紹介しながら、生物多様性を生かした農法の開発や、それを評価する手法なども実践してきたことを説明しました。
浅野市長は、ICEBAの継続が危ぶまれた時に、小山市で過去の開催自治体を集め、復活の狼煙を上げた2021年の菜の花サミットについて、その経緯などを語りました。
渡辺市長は、市の職員時代から関わってきたICEBAへの思いを伝えるとともに、生物多様性の危機感に対し、共感が持てる会議にして発信していくことが大事だと持論を述べました。
この後、東京大学大学院農学生命科学研究科の橋本禅准教授が「生物多様性保全、脱炭素に向けた農業」と題して基調講演を行いました。
橋本さんは人間活動の活発化に伴い、現在世界では100万種に及ぶ希少生物が絶滅の危機に瀕していると警鐘を鳴らします。
その上で生物多様性の保全は、人間の営みに様々な恩恵をもたらすとし、保全の考え方がここ20年で大きく変化したとしました。
これまでは、生産者が生物多様性保全の当事者と考えられてきましたが、流通・加工・消費の関係者など食料システム全体で考える必要があると提唱します。
また、脱炭素などの気候変動対策や生物多様性保全の取り組みが、企業のPRや収益につながる時代に移行してきたとしました。
続いて、農業や生物多様性、脱炭素を巡る最近の動向について、農林水産省や環境省の担当者から国の施策の視点で情報提供されました。
その後も、環境に優しい農業や有機農産物の供給などの先進事例がJA佐渡や韓国の大学教授などから紹介されました。
2日目は、安心・安全な農産物の提供などをテーマに3つの分科会が開かれ、各々の会場で生物多様性を育む農業をめぐり考えを深めました。
閉会式では、脱炭素に資する新しい地域再生農業の推進や、里山の重要性の発信などの目標を掲げた大会宣言を渡辺市長が述べたあと、次回開催地が紹介されました。
第6回生物の多様性を育む国際会議、いわゆるICEBA 2023には延べ180人が参加し、気候変動などを起因とした生物多様性損失への対策を、参加者全員で議論し確認したということです。
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