おけさ笠づくりの後継者育成へ

佐渡おけさや相川甚句など、佐渡民謡に欠かせない「おけさ笠」づくりの後継者を育てたいと、このほど講習会が開かれました。

佐渡民謡に欠かせないおけさ笠を制作しているのは、現在畑野地区の「おけさ笠の会」のみで、販売用の製作に携わっているのは、島内に2人という状況です。
そんな中、1人でも多くの人に笠作りを体験してもらい、技術の継承につなげようと、今回、佐渡文化財団が全2回のおけさ笠の編み込み講習会を開催しました。
講師はおけさ笠の会の会員で、販売用の笠を製作する渡辺ハツミさんと日影敏子さんらです。

渡辺さんは、まずは体験してみて、作業が自分に合うという人はぜひ続けてほしいと初めに挨拶しました。
おけさ笠作りの制作工程は20ほどあり、今回集まった参加者は一番難しいとされる笠を束ねる箇所を省き編み込みを体験します。
2010年から傘を編み始めている渡辺さんでも、初めのうちは編み込みに1ヶ月ほど時間がかかったと話していましたが、現在は1日に1つの笠を製作しています。

イグサを編み込むという地道な作業では、根気強さと繊細さが求められ、その細かい作業に参加者は、集中しながら取り組んでいました。
おけさ笠の会でも、月に2回会員向けに笠作りの教室を開いていますが、今回は佐渡文化財団が会を開催したことですそ野が広がったとしています。
渡辺ハツミさん「世界遺産登録に向けて、おけさ笠が今ブームなんです。その波に乗りたいと思って頑張ってます。私もそろそろ引退したいと思ってますが、まだまだ頑張らなくちゃと思って、今は必死です。文化財団がこれだけの人を集めてくれたことに感謝してます。今回2回シリーズですが、これ以上やってみたい人がいて、後継者ができてくれれば、私には一番の幸せです。」

参加者「佐渡おけさの踊りを繋いでいくのも重要ですけど、おけさ笠を作る人も減っているということを聞くと、少しでも多くの人が作り方を覚えて、作り手が増えるといいなと思いますよね。重要な文化を絶やさないように、ずっと作り続けて行きたいなと思っています。」
佐渡文化財団では、今後も講習会を予定しているということです。
佐渡の民謡に欠かせないおけさ笠。誰もが気軽に参加できる講習や体験会を催すことが担い手育成につながっていくかもしれません。
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