重伝建地区登録へ 小木町の保存と活用を考えるシンポジウム

重要伝統的建造物群保存地区への登録を見据え、小木町の街並みの保存とその活用方法について考えるシンポジウムが3月20日に開かれました。

あゆす会館で行われたこのシンポジウムは、小木町の令和6年度の重要伝統的建造物群保存地区いわゆる重伝建への登録に向け、気運を高めるために開催されたもので、関係者や市民など合わせて100人ほどが参加しました。
小木町は、歴史的建造物を数多く残す現在の本町通りを中心としたおよそ13.3haの地区が佐渡市によって伝統的建造物群保存地区に定められていて、令和3年度から始まった調査や計画をもとに、今年1月には文化庁に重伝建選定の申し出を行いました。
まず行われた基調講演では、元文化庁主任文化財調査官で他地域の重伝建の調査や計画策定に携わる林良彦さんが重伝建における保存と活用について話しました。

講演では重伝建登録までの流れや、登録されれば建造物の修理などに補助が受けられることなど、制度の概要について説明されました。
また、地区内の建造物にかかる固定資産税などの税制優遇措置が受けられる一方、建物の外観を変更する場合には許可が必要になることなど、登録によって市民にどのような影響があるかが伝えられました。
そうした恩恵や制約がある中で、自治体と市民が街全体をどのように守り継いでいくのか、その将来像をしっかりと共有することの重要性を説きました。

後半には、小木町並み保存推進委員会の岡崎拓夫委員長など4人を迎えたパネルディスカッションが行われ、他地域の事例に触れながら伝統地区に登録されることによる関係人口の増加や観光振興への期待が寄せられました。
今後は、文化庁の文化審議会による小木町の現地調査が行われた後、答申が出される見込みです。
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