蓮池薫さん 島内の中学校で初めて講演

9月12日、南佐渡中学校で北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんが講演を行い、生徒たちに未だかなわない被害者の帰国について声を上げて協力してほしいと呼びかけました。

蓮池薫さんが佐渡島内の中学校で講演を行うのは初めてで、講演には、南佐渡中学校の全校生徒およそ120人と地域の人およそ40人が体育館に集まりました。
蓮池さんは1978年7月、新潟県柏崎市の海岸で北朝鮮によって拉致され、24年後の2002年に日本へ帰国しました。
およそ1時間の講演のなかで、蓮池さんは北朝鮮の拉致の目的や拉致された当時の様子、北朝鮮による発言や報告書は、うそばかりであるなどと拉致問題について真相や経験を伝えました。

拉致問題が世間に広く知られるきっかけについては、同じく被害者である横田めぐみさんの父が家族会を立ち上げて、救うための運動を始めたことにより、メディアが取り上げ、日本政府が動き出したと話し、横田さんの父の決断が大きかったと話しました。
そして、生徒たちへ拉致問題は今の問題であると伝え、「今、協力してください。声を上げることが大きな力になる」と訴えました。
また、佐渡で拉致された蘇我ひとみさんの母で、未だ帰国が叶っていないミヨシさんについて、同じ県民として絶対に北朝鮮を許してはいけないとし、絶対に解決しないといけないこととして忘れないで欲しいなどと伝え講演を締めくくりました。

生徒からの質問の中で、日本に帰れると分かった時はどんな気持ちかと問われた蓮池さんは「最初は嘘だと思った。本当に帰れると思ったのは、飛行機が北朝鮮の地を離れた瞬間。これはもう間違いないと思った時は息が詰まりそうでした。」と当時の心情を交えて答えていました。
生徒「いろんな人たちの証言や力によって拉致問題が解決に向けて、頑張っているんだなっていうことが知れたのがとても印象に残っています。長い期間帰れないというのは、とても心苦しいことだと思うので、一刻も早く帰って来れるように私も署名活動やイベントに積極的に参加することで少しでも力になれればと思います。」
この日生徒たちは、拉致問題の解決を願う気持ちを表したブルーリボンをつけて講演を聞いていて、蓮池さんからの実体験により拉致問題への理解をいっそう深めたようでした。

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