砂金山由来の笹川集落で見学会 名主の主屋も公開

佐渡金銀山遺跡の歴史や価値などについて学ぶ、佐渡金銀山現地見学会の西三川編が6月25日に開催され、昨年度修復工事が完了した金子勘三郎家の主屋も参加者に公開されました。

佐渡市は新潟県とともに、文化庁の地域の特色ある埋蔵文化財活用事業として佐渡金銀山遺跡を巡る見学会を開催しています。
6月25日は、砂金山由来の農村集落真野地区の笹川集落で開催され、2グループ合わせて35人ほどが地元のガイドの案内のもと集落に残された砂金山の遺構を巡りました。

現在、25世帯およそ60人が住む笹川集落は、相川金山より古い平安時代から砂金を採掘していたとされる砂金山があり、採掘量の増大に伴い集落が形成されました。
明治に入り砂金山が閉山された後は、砂金を流した用水路を農業用の水路に転用するなど、農地開発が行われ、現在も集落内に遺構が残されています。
その当時の佇まいを残した農村風景は、2011年に新潟県では初となる国の重要文化的景観にも指定され、現在世界文化遺産登録している「佐渡島の金山」の構成資産にも含まれています。
参加者は地元ガイドの説明に熱心に耳を傾け、当時の様子に想像を巡らせながら、集落の歴史やその価値について学びを深めていました。
また、見学会では昨年度修復工事が完了した金子勘三郎家の主屋も公開されました。
金子家は、幕末から明治期にかけて笹川集落の名主を務めた家柄で、砂金山閉山後も笹川集落や、南佐渡地方における社会や政治の中心的な役割を担ってきました。
参加者は、佐渡市の担当者から建物の構造や、当時の暮らしぶりについて説明を受けると、金子家が当時果たした役目の重さを実感していました。
佐渡市では、今後修復が進められる金子家のその他の建物についても、修復完了後に公開していく予定で、より多くの市民が興味を持ち歴史的価値を知ってもらえるよう、見学会を継続していくとしています。

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