登下校時の熱中症 市に対策求める

今年の夏は記録的な暑さが続いています。島内の小学校は8月28日から2学期が始まりましたが、この猛暑の中、登下校時における熱中症対策を市に求めようと児童の保護者が動き出しました。

島内の小学生にはバスで通学する児童もいますが、中には30分以上の道のりを徒歩で通う児童もいます。新潟県に隣接する山形県では、中学生が部活動から帰る途中、熱中症で亡くなった事故も起き、熱中症対策の必要性がより高まっています。
そこで、徒歩で登下校する子供を危険な暑さから守ろうと相川地区の高千小学校に通う児童の保護者、中村萌さんが市に対策を求めようと立ち上がりました。
8月29日、中村さんは、猛暑の中の登下校がどの程度危険であるかを検証しようと小学1年生の息子一葵さんと下校時間の午後3時に合わせて徒歩で下校しました。

学校から中村さんの家まではおよそ2km。小学1年生が歩くと30分程度かります。
高千小学校では、通学距離が4km以上であれば、通年市から路線バスの定期券が交付されていますが、中村さんは対象となっていません。
検証を行ったきっかけは、息子の一葵さんが夏休み直前、授業を終えて家に帰ると、目の焦点が合わないなどの熱中症とみられる症状が出て、危険を感じたからだと言います。
中村さんを含め保護者らが協力して、送迎をしている日もありますが、毎日の対応は難しく市の対策も必要だと感じています。
相談を聞いた校長も一緒に参加し、下校途中の気温を測りながら下校時の暑さを目で見て確認していました。
子供の頭の高さに合わせて持っていた温度計は、39℃近くを記録していました。
中村さんは、下校中に測った気温や下校時の子供の体温などの結果をまとめ、市の教育委員会に提出し回答を待っているということです。
中村さんは、佐渡市へ対策を求めながら、地域のPTAや島内のおなじ立場の保護者からも賛同の声を集めたいとしています。また、市の支援に限らず、異常気象のなか、徒歩で小学校に通う子どもが少しでも涼しく登下校できるような熱中症対策を早期に実現したいとしています。
検証に同行した高千小学校の彌源治仁伺校長は、下校時の熱中症対策の必要性を感じているとし、今後、学校で出来ることを考えていきたいと話しました。
高千小学校では、今後PTAの会議などで徒歩で登下校する子供に対し、首もとを冷やす冷却パッドなどを支給できないかといった具体的な暑さ対策を話し合うということです。
一方、中村さんの求めを受けた佐渡市教育委員会学校教育課は、熱中症の危険が高まるなか、熱中症警戒アラートに基づいた判断をしてもらうなど学校には今年に限らず以前から注意を呼びかけていて、費用がかかる面での対応はすぐには難しいと話しています。中村さんの求めについては、要望を読んだ上で回答するとしています。
中村さんは8月29日に同じ気持ちを持つ人たちの声を集めようとオンラインでできる署名のページを立ち上げました。https://chng.it/kBjBGW2Qfk

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