トキとの共生推進フォーラム 冬水たんぼや江の考察

令和4年度2回目となるトキと暮らす郷づくり推進フォーラムが先週末4日、トキ交流会館で開かれ、トキとの共生を目指すため取り組まれている江の設置や、冬みずたんぼの効果について調査した結果が発表されました。

トキとの共生をめざし生き物を育む米作りを行う制度、トキと暮らす郷その認証米作りで最も多く取り組まれている江の設置や冬みず田んぼについて、どのような効果があるのか新潟大学農学部の関島恒夫教授が学生らと共に昨年2月から行った調査結果を発表しました。
会場には、認証米作りに取り組む農家などおよそ40人が参加し調査内容に耳を傾けました。
まず、江の設置の有効性について、年間通じて江がある通年江と、田植えから中干し後の期間のみ江がある簡易江について調査結果が示されました。
農繁期以外に水がなくなる簡易江は、農家の負担が少ないため普及したものの、生き物が生息するのにあまり適した環境ではないとしました。
また、効果が認められた通年江でも農繁期や農閑期に水が抜けていることもあり極力通年で水が堪っているよう配慮する必要があると呼びかけました。
冬にたんぼに水を張る冬期湛水については、国と佐渡市で基準が違う為、湛水でも完全に水が湛まっている国冬水たんぼと湿地程度でも良い市冬水たんぼ、そして湛水をしていないなどの4箇所を対象に調査が行われました。
その上で、餌となる生き物の分布に偏りがあったり、冬水たんぼは、食物連鎖の影響で効果が出るまで時間を要することが考えられるとし、再度の検証が必要だと説明しました。
今回は、認証米認定の要件のうち、江の設置や冬みずたんぼについてその効果が考察されましたが、会場の参加者からは、要件の厳しさで続けられない農家も多くあるとの意見も出され、緩和も含めた要件の適切な運用が課題として上がっていました。

最新情報をチェックしよう!