「本当の厳しさ」考えるスポーツ講演会

部活動やクラブチームでのスポーツ経験を通じて、子どもとの関わり方を考える講演会が保護者や指導者を対象に開催されました。

講師には元日刊スポーツ新聞記者で、現在はジャーナリストとして活動しながら部活動の体罰問題について記した書籍なども出版する島沢優子さんが招かれ、講演会にはクラブチームの指導者や保護者など150人ほどが参加しました。
講演は、近年スポーツにおける暴力やハラスメントが多数報じられる中、部活動やクラブチームで活動する子どもたちをどのように育てていけばよいかというテーマで行われました。
講演の中で島沢さんは、日本バスケットボール協会が2021年に行った調査で、指導者の暴言や暴力がある中でも、子どもが楽しさや成長を感じていると答えた保護者が3割程度いたことから、未だ旧態依然とした指導があることや、保護者自身のかつての経験から体罰的な厳しさが成長につながるという考えが根強く残っていることに警鐘を鳴らしました。

さらに暴言や暴力が子どもの脳に悪影響を及ぼすことがあるという研究結果を示し、子どもたちが成長するための本当の厳しさとは、主体性を育てることではないかと主張しました。
島澤さんは事例を示しながら、部活動やスポーツクラブにおける主体性とは、試合中の動きや練習方法など技術的な指導を指導者が行うのではなく、試合でどう動けばいいか、また、どういった練習を重ねていけばよいかなどを子どもたちが自ら考えられるよう導くことだと話しました。
そのためには、指導者や保護者は指導するのではなく、問いかけを行うよう心掛けること。その答えに対しては、否定することなく傾聴することなどを通じて自己肯定感を育み、自発的にスポーツに取り組めるよう見守ることが重要だとしました。

保護者「今まで自分がやれやれって子どもたちに言ってたのが、非常に良くなかったと猛烈に反省しております。自分はバスケットをやってたんですけども、それも選択肢の一つでしかないと思うので、子どもたちが成長する上で子どもたちがやりたいことを見守っていけれたらと思います。」
指導者「個々の性格とか伸びしろを観察して見極め、それに合った言葉かけをしているつもりではあるんですが、所詮自分の見立てだけなので、その子どもの声を聞くという先生がおっしゃった部分を今後取り入れて、子どもたちと話し合いながらゴール設定などをしていけたらと感じました。」
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