真楽寺の本尊 修復に向け運び出し

真野地区吉岡にある真楽寺の本尊で鎌倉後期の作とされる、阿弥陀如来坐像がこの度修復のために運び出されました。

12月月8日、真楽寺の本尊阿弥陀如来坐像を見送ろうと真楽寺に檀家が集まりました。
まずは、仏像を運び出すために撥遣と呼ばれる魂抜きの作法が行われました。
この像は東京芸術大学水野敬三郎名誉教授によって鎌倉後期の作と鑑定されています。

松岡誠一代表「鎌倉時代後期、700年ぐらい前の非常にすばらしいお像です。構造技法的にも、古いやり方をされていますし、造形的にも古い特徴がありますので、本当は佐渡市の文化財になってもおかしくないぐらいのお像です。この地域の方々がずっとお守りしてきたということで、今回責任を持ってお預かりして、元気になって帰ってきていただきたいなと思っています。」
真楽寺の本尊は、もともと阿弥陀如来と不動明王の二尊でしたが、第二次世界大戦の混乱の中でいずれも人手に渡ってしまいました。
戦後の混乱が収まると、住職、檀家の努力によって新潟市の骨董屋で像が発見され、真楽寺に戻すことができました。

しかし、戻った像は指や耳たぶが折れ、玉眼と呼ばれる目の水晶も外されていて、このたび住職の代替わりを前に修復を行うことになりました。
三浦良廣住職「当時のお寺の本尊様が戦後一度手放された時にご苦労されて、お檀家様のお力で戻ってきた、それをなんとか元に戻したい。明るく豊かにそして健やかになっていただきたいなと思って、この度はお檀家様のお力と英知を結集して、修復をお願いすることにさせていただきました。」
魂抜きが終わると、ほかの仏具に気を配りながら慎重に仏像を運び出します。

仏像が運び出されると、仏像修復師の松岡誠一さんによって破損箇所と修復予定箇所について檀家に説明されました。
松岡誠一代表「阿弥陀様のすべての部材の接ぎ目が緩んできていて、今回は、全部部材を解体して修復をするというような感じで考えています。玉眼といって目の中に水晶のレンズみたいなものが入ってるはずなんですけれども、こちらの阿弥陀様はその玉眼が無くなっておりましたので、それを復元して目に力が戻るように修復をしたいと思います。全体の金箔が剥がれたりしてるものはあまり復元しないで、現状の古い年代を重ねたお姿そのままで文化財的な修復を行い、文化財としての価値を損なわないようにします。ゆくゆくは佐渡市の文化財にして頂ければなと思っています。」
この日は、ほかに玉林寺と東光寺の仏像も修復に出され、修復された仏像は1年後に戻ってくるとのことです。
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