学校蔵内に東大・芝浦工大が研究室を合同で開所

このほど東京大学と芝浦工業大学が合同で学生たちの学びの場としての研究室を西三川の学校蔵内に開所しました。

西三川にある尾畑酒造の酒蔵学校蔵内に佐渡研究室を設置したのは、東京大学の未来ビジョン研究センターと芝浦工業大学の地域共創基盤研究センターです。
両校は、佐渡をフィールドにした研究や活動を実施しており、今回は佐渡での拠点作りの中で、両校と関わりのあった尾畑酒造が運営する学校蔵内に、合同でそれぞれが活動を行うための学外研究室を初めて設けました。

6月4日には、その開所式が行われ、両校の関係者と渡辺竜五佐渡市長も出席しました。
はじめに両校のセンター長から佐渡研究室で実施したい内容などが説明されました。
脱炭素社会の実現を目指している東京大学未来ビジョン研究センターの福士謙介センター長は、脱炭素を行うだけでは、安定した食料生産や交通体系の維持など地域が好循環するわけではない、この場で学生たちに脱炭素の先を目指したこれからの社会について考えるため、新しいコミュニティづくりの場や、新しい概念を発信していく場にしたいと今後の展望を紹介しました。
また、今後はコミュニティの場として地域住民らを招いたワークショップなども、開催
したいとしています。
一方で佐渡市と持続的な地域づくりの創造に向けて、包括連携協定を昨年締結した芝浦工業大学は、これまで学生たちが夏休み期間中など島内に滞在して、古民家や神社の改修作業などを行うほか、ものづくりの楽しさを地域の人たちに知ってもらう活動などをおよそ20年実施してきました。
芝浦工業大学地域共創基盤研究センターの栗島英明センター長は、そういったものづくりの楽しさを伝えるほか、東京キャンパスと研究室をオンラインで結び、遠隔でものづくりを学べる場としても使っていきたいと話していました。
また、渡辺竜五佐渡市長も挨拶に立ち、「課題が山積する離島だからこそ様々な研究の効果が見えてくる。様々な人が佐渡で何かを作り変えていく課題解決先進地として、世界に挑戦できる島にしていきたい」と新たな場所に期待を寄せていました。
両大学とも常駐者は置かないものの、研究室を拠点に地域が抱える課題解決や循環型社会に向けた調査や研究などを行っていきます。

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