県議選佐渡市選挙区 前回と同じ三つ巴に

新潟県議会議員選挙の告示まで、今日で一週間となりました。佐渡市選挙区では、今のところを前回と同じ顔ぶれが立候補予定者として上がっていて、元職2人、新人1人の三つ巴の争いになるとみられています。県議2人と市議ひとりの構図にもなりますが、直近の議会での質疑などを取り上げながら、立候補予定者を紹介します。

現職で4期目に挑むのが佐藤久雄さん75歳です。
薄氷を踏んだ前回選挙の勝利を盤石にするため、県道や生活インフラの整備など、県議3期12年の実績を強調します。
先週20日から始まった県議会では、知事と一問一答式で質疑応答できる連合委員会で、舌鋒鋭く知事の見解を問いました。トキエアの羽田空港乗り入れに対する県の積極的な関わりを求め、佐渡汽船の短期間による貨物運賃の値上げに対し、凍結すべきと持論を展開しました。
いずれも知事は、民間事業者の経営問題とし直接的な答弁は控えましたが、国に対する要望活動の継続とともに動向を注視していきたいともしました。
無所属の佐藤さんは、年1回許される一般質問や定例会ごとに開催される連合委員会を通じて、県政の諸問題を始め、佐渡に関わる県の政策について知事の見解を質しています。
再選を目指すのが現職の中川隆一さん54歳です。前回選挙でトップ当選を果たした中川さんは、今回も、自民党公認で手堅い選挙戦を目指します。
2月議会では、昨年12月の佐渡での大雪による大規模停電に触れ、非常時の電源供給への備えを質しました。
知事は、県の公用車をプラグインハイブリッド車に切り替える考えを示し、災害時の電源供給に役立てたいと答えました。中川さんは、佐渡市で自動車販売会社から借り受けた電源車による電源供給が非常に有効だったことも主張し、知事の答弁を引き出しました。
島内各地に貼られている5月開催予定の自民党演説会を告知するポスターには、弁士として迎える花角知事とともに写り二人三脚ぶりをアピールします。
前回の雪辱を期すのが新人の北啓さん34歳です。
若さを前面に打ち出しながら、382票の僅差で敗れた経験を糧に選挙に挑みます。
市議会2月定例会の一般質問では、人口減少対策の一つである社会減ゼロに取り組む佐渡市定住促進策について成果と課題を取り上げました。中でも地域とトラブルを抱えるケースも増えたと指摘し、定住の妨げにならないように対策を求めました。
市は、移住促進が一定の成果を上げている現状を示した上で、定住には地域と移住者、相互の理解が必要だとし、お試し住宅の運用なども含め、Iターン者を繋ぎ止める取り組みを進めていくとしました。
今回も、選挙に関心の薄い若年層の掘り起こしに重点を置くと共に、連合の推薦や自治労の支持も取り付け、新たな支援層を開拓していきます。
前回5,000票余りの差を付けトップ当選した中川さんに対し、佐藤さん、北さんが、どれだけ肉薄できるのか。三つ巴の争いは混沌としていますが、立候補予定者が打ち出す公約に明確な争点が見られないのも事実です。
前回選挙の投票率がとうとう6割を切り、県議選に対する市民の関心の低下が危惧される中、どれだけ有権者にアピールできるのか。1週間後の告示を前に、実質的な選挙戦は静かに火花を散らしています。

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