新潟大 学芸員の卵が佐渡で実習

新潟大学で学ぶ学芸員の卵たちが両津地区の博物館で学芸員の一連の作業を学ぶ実習に取り組みました。

9月25日から4日間の日程で、両津郷土博物館で行われた博物館野外実習に参加したのは、新潟大学で学芸員の資格取得を目指す学生10人です。
佐渡での実習は、新潟大学人文学部と佐渡市教育委員会の連携協定事業の一環として昨年から行われ、大学4年生と大学院1年生が両津郷土博物館に収蔵された未整理の資料調査や記録作業に当たりました。
実習では主に農具の調査を行い、この日は千歯こきをスケッチするとともに農具に記されている文字などを基に情報収集していました。

農具の用途や、誰が使っていたかなど不明な点については、大学の教授や博物館の館長に尋ね真剣な様子で調査にあたっていました。
また、年月が経って文字の読み取りが難しいところは、拡大鏡を使ったり、濡らして文字周辺と濃淡をつけて読み取りやすくしたり、中には崩し字を読み解く本を使うなど、歴史を感じながら必要な情報を集めていました。
その他にも、資料をきれいにしたり、写真撮影をしたりと学芸員の一連の作業に当たりました。

学生「千歯こきの歯を使わなくなった後は、アワビや貝類を取るために使ったということを館長の先生から伺いました。農業も盛んな一方で漁業も盛んな佐渡の地域の特色というのを感じたところです。」
加賀谷真梨准教授「たくさんの民具が寄贈されている博物館に来て、民具は同じように見えるんですけれども、それぞれ一つ一つの違い等に気づきながら、じっくり観察したり、スケッチできたりするのは学生にとって貴重な機会だと思っております。佐渡のこの自然環境の中で生まれてきた民具ですので、そういったことを想像しながら自然環境の中で実際に使われたものに触れるっていうことが、佐渡に来てやることの一番の意義のだと思っています。」
学生たちは、佐渡の昔の人たちの暮らしぶりに思いを馳せながら、学芸員の仕事について理解を深めたようです。

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