持続可能なナマコ漁業目指し先進地から学ぶ講演会

佐渡のナマコ漁業を持続可能なものにするため、先進地青森などの事例を学ぶ講演会が先週9日開かれました。

高級食材として、近年中国などで注目が集まっている「ナマコ」は、別名「黒いダイヤ」とも呼ばれ、佐渡でもナマコ漁業や養殖がおこなわれているほか、昨年からはナマコ種苗の生産、漁場への放流も始まっています。
先週9日、持続可能な佐渡ナマコ漁業を考えると題して、佐渡ナマコ研究会が開催した講演会には、市の農林水産振興課職員や、島内の漁業関係者などおよそ30人が参加しました。
講演会では、まず青森県の建設会社で水産生物の増殖事業なども手掛ける志田内海株式会社の志田崇代表取締役が講演を行いました。
志田さんは、令和元年から佐渡島内の漁港3箇所に設置していたナマコの住処となる自社開発の装置「竜宮礁」についてその経過を報告。
設置した竜宮礁の付近にナマコの餌となる海藻が生育し、ナマコの生息地として一定の効果があったと説明しました。
続いて講演を行った弘前大学の桐原慎二教授は、継続的にナマコ漁業を営む上で重要な資源管理の方法について、青森県陸奥湾の事例を交えながら解説。
また、ナマコの餌となる海藻アマモを海中に移植して餌場を形成することや、牡蠣殻の敷設による底質の向上がナマコの成長に有効ではないかとの提案もなされました。
その他に、ナマコの漁獲量をより正確に把握するための計算方法などが説明されると、参加者らは真剣に聞き入っていました。佐渡ナマコ研究会では、今後ナマコを採取して生育調査を進めていくほか、5月に種苗から育てたナマコの放流を行う予定だということです。

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