地域特性活かした医療体制に

地域医療の担う役割や病床の機能分化、連携に関する課題などを協議する佐渡地域医療構想調整会議が先月開催され、県の支援を受けモデル事業として実施される、オンライン診療への参加の可否などが話し合われました。

調整会議には、佐渡医師会や佐渡総合病院、佐渡訪問看護ステーションなどの構成員13人がオンラインも含め出席し、冒頭のあいさつ以外、非公開で協議が行われました。
会議では、医療提供体制の確保が困難なへき地医療について、その課題を克服するためのオンライン診療が県の支援により、モデル事業として実施されるにあたり、参加の可否について話し合われました。

事業内容は、患者の家に看護師が訪問し、医師と患者のオンライン診療をサポートしたり、巡回診療をオンラインに置き換えて実施するなど、3つのモデルがあり、佐渡地域として参加が可能か意見交換が行われました。
検討の結果、患者や家族の通院負担の軽減や医師の診療効率のアップなどにつながるものの、医師の拘束時間が長くなる懸念が多く示され、今回のモデル事業への参加は見送られました。
調整会議の後には、佐渡地域医療連絡協議会も開催され、重点課題として取り組んでいる自殺や認知症などの精神疾患対策や、在宅医療の体制について報告されました。
精神疾患対策としては、佐渡総合病院への真野みずほ病院統合による環境変化への適応状況について危惧する質問が寄せられました。
現場からは、同じ病院に複数の診療科があるため連携が取りやすくまた、患者の声として精神疾患だけの病院ではないため通いやすいというメリットがあることなどが伝えられました。
その上で、認知症の新規患者も増えていて、短期的な入院には適応可能なものの、在宅療養もかなわない長期的な入院患者には、島外の精神科病院へ転院してもらっているのが実情だとする受け入れ側の悩みも示されました。
また、在宅医療については、佐渡の医療資源では、対応に限界があるとの課題も突きつけられました。
佐渡地域医療構想調整会議の事務局である新潟県によると、地域特性に配慮した医療体制の構築に向け年に数回開催する会議などで、喫緊の課題を取り上げ解決に向けた方策を探っていきたいとしています。

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