トキエアが新潟‐佐渡間を調査飛行

佐渡と首都圏を結ぶ航空路開設が期待されている地域航空会社トキエアが、9月9日に佐渡空港の離着陸を想定した調査飛行を実施しました。

午前11時10分、低く垂れ込んだ雲とそこから覗く青空の合間を縫うように、機長を含む関係者6人を乗せたトキエアの白い機体が姿を現します。
新潟空港を午前10時30分に離陸した機体は、佐渡上空を30分程度旋回した後、空港周辺に集まった市民に見守られながら、加茂湖方面からスムーズなランディングで到着しました。
 
この機体は、今年4月に新潟空港に到着したATR42-600で佐渡線への乗り入れが想定されています。
調査飛行にあたっては、6月に座学訓練を前もって実施し、長さ890m 幅25mの滑走路に対する離着陸時の注意点や強風時の対応、新潟空港からのアプローチなどを学び、万全の体制で臨みました。
着陸の際の課題としては、再三言われている滑走路も短いだけでなく、幅も狭いことや佐渡は島と言うことから、気圧や風、路面の状況など厳しい条件が多くあり、一定程度の訓練が必要だとしました。
 
また、重量制限の面から、乗客の人数や運行管理者が佐渡空港にいないことから離発着の管理面での課も挙げられ、気づいたことをしっかり協議し、1人でも多くの乗客が乗れるように検討していきたいとしました。
佐渡空港の定期便就航に関しては、昭和52年に初めて新潟佐渡間で通年運行が実施されて以来、いくつもの運行会社が乗り入れましたが、経営的に苦しい状況が続いていました。
 
平成23年度から不定期便の就航が始まった新日本航空も、県や佐渡市から支援を受けたものの、平成26年3月には佐渡空港から事実上撤退しています。
 
それ以来、佐渡空港は定期便が就航しておらずトキエアによる就航再開が待ち望まれていました。
今回、トキエアとして初めて着陸したことに滑走路問題と向き合っている関係者は、安堵感をにじませていました。
トキエアは、佐渡便の就航について、今日の調査飛行で見えた課題を踏まえ、通年運行よりもチャーター運行から始めることを視野に入れながら、定期就航に向けた取り組みを進めていくとしています。
 
調査飛行は、当初3月末までとされていた佐渡空港での飛行訓練が延期され、8月に実施予定だったものの荒天のため伸びていたものです。
 
早期の就航が期待される首都圏便も含め、今後の動きが気になります。

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