飲食店向けインバウンド対応セミナー

2月26日、飲食店を対象として外国人観光客に対応するためのセミナーが開催されました。

「明日からできる飲食店におけるインバウンド対応セミナー」と題されたこのセミナーは、飲食店側の外国人観光客に対する心理的ハードルを下げることを目的にしていて、島内の飲食店の経営者と従業員など23人が集まりました。
ナタリー ホンメルさん「佐渡観光交流機構のメールボックスによく外国人からの問い合わせが入ってくるんですけど『日本語が喋れないので代理予約してもらえないか』と言った問い合わせが多いので、まだ佐渡は英語対応が十分ではないと思ったので、このセミナーを企画しようと思いました。」
最初にセミナーを企画した佐渡観光交流機構のナタリー・ホンメルさんが新型コロナウイルスの制限が解除されたことで訪日外国人が増えていることについて触れ、2024年は、コロナ禍前より訪日外国人が増えると予想されていると説明しました。

また、官公庁が行ったアンケート結果から、訪日外国人のおよそ7割が日本食を目的にしていること。日本旅行中に困ったこととしては、施設などのスタッフとのコミュニケーションが最多となっていると説明しました。また、訪日外国人が必要だと思うコミュニケーションツールで「指さし会話シート」が1位になったことを受け、官公庁の用意している指さし会話シートもあると説明しました。
そのほかに翻訳アプリを使用したり、漢数字の値段表記は電卓で伝える。日本人は、英語での会話より読み書きの方が理解できることに触れ、筆談という手段もあること。また、流暢に対応できなくても身振り手振りや表情でも伝わることもあるとし、そういう一生懸命な姿勢がかえって外国人観光客に好意的に取られることもあると伝えました。
説明後、参加者は5つの班に分かれ、講師を外国人観光客に見立て英語での接客の実践を行います。

全て日本語で書かれたメニューを見て、講師は「何の料理かわからない。とてもお腹が減っていて油っぽいものが食べたいです。おすすめはありますか。」などの質問をしました。
答えに困る参加者に対し、例えばかつ丼なら豚のイラストと米のイラストを指さしてみるなど、英語を話さなくても取れるコミュニケーション方法を伝えました。
実践後は、実際に外国人観光客を積極的に受け入れている講師による事例が紹介されました。

佐和田地区で飲食店を経営する矢島拓さんは、英語のメニューやチラシを導入して良かったことや、逆に悪かったことなど自分の経験をもとに説明しました。
矢島さんは外国の飲食店で注文をする際、店員さんが拙いながらも日本語で話しかけてくれたらどう思うかと問いかけ「簡単な単語の羅列でも意外と通じることもある。怖がらず世界中の人と友達になると思って、まずは1人対応してみてください。ひとりできれば後は同じです。」とまずは怖がらずにやってみることの大切さを伝えました。
ナタリー ホンメルさん「2022年10月にコロナの制限が緩和されましたが、それからはメールでの問い合わせだけではなく、実際に佐渡に来る外国人の観光客が増えました。日本語が全く喋れない外国人の観光客がほとんどなので、外国人観光客の佐渡の旅が少しでも楽になるようにお願いします。」

ナタリーさんは、今回は飲食店を対象としましたが、今後は宿泊施設などを対象としたセミナーも開いていきたいとしました。
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