市長定例記者会見 地震による建物被害 市が復旧支援へ

佐渡市は、能登半島地震により被害を受けた市内の建物などの修繕費用を一部支援していく方針を固めました。今後詳細を詰めた上で、議会とも協議し支援制度の市民周知を図っていくとしています。1月19日開かれた市長定例会見で明らかにしました。今回の地震による建物被害は1月18日現在で144戸になっていることも合わせて報告されました。

1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、市内では1月18日現在、建物被害が144戸になっています。ほとんどが瓦のずれや落下、壁のひびなどの軽微なものです。
国や県では以外割合が10%以上とされる準半壊以上の世帯を対象に修理費用などの支援をしていますが、市内の建物は軽微な被害が多かったため、支援対象になっていない状況です。
このことから市では対象から漏れた世帯が住宅や倉庫、及びブロック塀などの修繕を行った場合に、一時的な見舞金という形で支援を検討しています。

なお、準半壊以上の建物に対しても、国や県の支援に上乗せすることが検討されています。市では制度設計を早急に進め、議会と協議した上で支援に乗り出す構えです。
一方、今回の地震では津波警報の発令により、佐和田地区を中心に市の指定避難所23ヶ所におよそ2,700人が避難しました。
会見では、高台に避難する車で一部渋滞が起きるなど、今後の避難方法について問題点を指摘する声も上がりました。

渡辺市長は、今回の被災に対する課題を関係機関で共有し対策を練るとしました。その上で大きな揺れを感じた際には、高台に避難するなど命を守ることを最優先にした市民一人一人の迅速な対応を改めて呼びかけています。
地震による影響ではこのほか、市内4地区676戸で断水も発生し、畑野地区の浜河内と丸山では、地震発生4日後にようやく復旧しました。
ホテルや旅館、飲食店でも器物破損など被害が発生し、両津港や小木港の埋め立て地では、液状化現象も起きています。

調査中の圃場パイプラインや点検が予定されている農業用水路などの被害も今後明らかになるとみられ、被害の全容はまだつかめていない状況です。
地震関連では、被災地支援として1月3日から16日にかけ24名の消防職員を派遣したことが報告されました。
今後は、家屋の被害認定のため、新潟市に職員2名、1月29日からは珠洲市などに上下水道課の職員4名を派遣する予定です。

この日の会見ではこのほか、ベビー用品などの製造販売会社ピジョン株式会社が宣言している「あかちゃんとそなえの輪推進プロジェクト」への賛同も伝えられました。
赤ちゃんに優しいまちづくりを目指す会社の理念に賛同することにより、市全体の防災意識の向上を図っていく狙いがあるとしています。
このほど予備審査会が開かれた「はんが甲子園」への協賛金募集が難航していることも報告されました。

昨年と同額の80万円を目標にしているクラウドファンディングも1月18日現在で15万9,000円となっています。
企業400社へ協賛金の依頼文書も送っているとしましたが、渡辺市長は、高校生が制作した版画を有効活用できていないという認識を示し、多くの人に知ってもらう取り組みが必要だと述べました。
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