公共施設あり方検討会議 拠点施設への集約・複合化のイメージ共有

老朽化や利用頻度の減少などで、適切な配置や対応が望まれる佐渡市の公共施設を巡り、今後の方向性に市民の声を反映させる「公共施設のあり方検討会議」が3月20日に開かれました。今年度最終回となったこの日は、学校や行政庁舎など拠点施設への集約や複合化に対するイメージの共有を図りました。

合併から20年となった佐渡市では、同様の機能を持つ公共施設が多くなったことから、その適切な配置に向け来年度基本方針を策定します。
施設の維持管理に多額の経費がかかることから、財政的な負担を減らすことも目的です。
あり方検討会議は、その方針へ利用者である市民の意見や要望を反映させようと、今年度1年かけて開催されてきました。

14名の委員と有識者2名で構成されています。当初は8回の予定でしたが、意見交換の時間が足りないなどとして9回の開催となりました。
最終回となったこの日は、これまでの意見交換を踏まえ、公共施設の適正配置に対する市の考え方が示されました。
既に地域の拠点となっている学校や行政庁舎、及び会館などに必要な整備を行った上で集約、複合化を図り、廃止する施設の機能を維持しようとするものです。

特に児童・生徒数の減少によって生じている空き教室や、利用頻度が下がった調理室、図書室などを有している学校の活用が例として挙げられました。また、両津支所や佐和田、新穂、小木行政サービスセンターなどの行政庁舎や、赤泊総合文化会館も建て替え時に複合化が実施されていて、今後もその方針は変わらないとされています。
一方、利用圏域による施設配置の考え方も示されました。文化会館などの市や県レベルで核となる広域拠点施設から地区集会施設など、町内会単位でのコミュニティ圏域施設まで5段階に分類し、それぞれで適切な公共施設の配置数を示しています。
検討会の最後には、座長を補佐し会の円滑な進行などの役割を果たしてきた有識者が、これまでの会議で出た委員の意見をまとめました。また、自分の住んでいる地域だけでなく、客観的に佐渡全体で考えることの必要性や現場視察の大切さ、そして施設の有料化も検討するなど、視点を変えた工夫も重要であることなど会議を通して得られた知見を改めて示しました。

豊田光世准教授「最初はすごくたくさんの施設の数について議論しなきゃいけない、それから自分が住んでいない地域の施設も含めて、或いは利用したこともない施設も含めて議論していかなければいけないという状況の中で、どうやって9回の話し合いを組み立てられるかっていうのは、かなり悩みました。参加してくださった市民の皆さんが非常に俯瞰的な視点で佐渡の今後の公共施設のあり方について議論をしてくださったので、9回はとても多いですけど、こういう議題について話し合うには少ないかもしれません。でも、その少ない中で非常に有意義な議論ができたのではないかなと思います。これから佐渡は人口減少が進み、財政が縮小していくという中で、縮小の議論をしなくてはならない機会が増えていくと思います。その時に『縮小=何かを諦める』っていうネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、そうではなくて、こういった話し合いを機会に『より暮らしやすい地域を作るためにはどうしたら良いのか』『未来を作るための楽しく明るい話し合いにどうやったら転換できるのか』ということを考えながらファシリテーションをしてきました。その結果として、この9回を振り返って徐々に話し合いの雰囲気というものも変わってきたんじゃないかなと思います。」
雨宮隆三座長「非常に難しいテーマだと思うんですよね。それぞれの地域で活用されていたり愛されてきた施設を統廃合していくという非常に難しい議論だったと思います。一方で今の公共施設の使われ方をプロジェクトメンバーも知ることができて、その中でこういうことやれば、佐渡の未来につながっていくんじゃないかっていう可能性も見えたので、単にリストラをしていくというネガティブな議論じゃなくて、この先これを活かして逆に地域で手を取り合ってより良い未来を作っていけるような形になっていけばと思っています。」
佐渡市ではあり方検討会議で協議された内容も踏まえ、来年度公共施設の適切な配置に向け基本方針を策定します。
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