佐渡汽船 世界遺産効果も経営は厳しい状況

佐渡航路の永続的な運行に向け、関係自治体や事業所などが協議する佐渡航路確保維持改善協議会が6月4日開かれました。輸送料は順調に回復傾向であり、世界遺産登録の効果は大いにあることが示されましたが、経営は依然として厳しい状況で乗客運賃など改定や島外からのジェットフォイル往復割引の廃止を今年の夏にも実施を検討していることが明らかにされました。

2022年に経営再建のため、道のりホールディングスの傘下に入った佐渡汽船は、3期連続の黒字化を果たしました。
再建3年目に当たる2024年12月期には、当期純利益9億5,900万円、売上高は前年比5.1%増となる127億6,400万円となりました。
 
全航路の年間輸送人員もコロナ禍で落ち込んだ2022年の98万人から順調に回復し、昨年は、前年からおよそ7万人増え127万人を超えました。
今年の1月から4月の輸送人員は、北陸応援割があった昨年と同じくらいだったと佐渡汽船株式会社の尾渡英生社長は世界遺産登録の効果を実感しているようでした。
しかし、輸送人員が増加傾向にあるものの、コロナ禍前の150万人の輸送人員には届いていない状況です。
尾渡社長は物価高の影響などから経営は厳しい状況にあるとし、乗客や航送運賃の値上げ、早くて今年の夏から島外客のジェットフォイルの往復割引の廃止を検討するとしました。

また、老朽化が進む船舶の更新についても言及し、貨物船「日海丸」を2027年に更新し、その後時期は未定ながらもカーフェリー、ジェットフォイルも順次更新を行う予定としました。
協議会の中で佐渡汽船から説明を受けた会長の濱口信彦新潟県交通政策局長は、世界遺産登録効果は現れているとした上で、今後も官民で連携した誘客促進を図っていきたいと話しました。

世界遺産登録の効果もあり、輸送人員の回復も順調とする一方で、島外客のジェットフォイルの往復割引の廃止や乗客・航送運賃の改訂の検討などが報告された今回の協議会、今後の動きに注目が高まります。

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