「佐渡島の金山」念願の世界文化遺産登録

7月27日、インドで開催されたユネスコ世界遺産委員会で「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決定しました。

渡邉アナウンサー『たった今、イコモスから評価の説明がありました。「佐渡島の金山」の世界遺産登録が決定しました。関係者、市民のみなさんが手を叩いてモニターを見つめています。』
7月27日の14時頃、インドのニューデリーで開催されていた世界遺産委員会で「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決定し、パブリックビューイングで様子を見守っていた市民や関係者らがバルーンを叩いて、喜びを分かち合いました。
「佐渡島の金山」の登録に関しては、朝鮮半島出身者の強制労働があったとして韓国が反発していましたが、当時の労働環境を施設で展示するなどの対応を日本政府が行ったことにより、韓国が登録に同意したとみられています。
審議では全会一致で登録が決まり、韓国が「日韓関係の長期的視点に立ち、登録について世界遺産委員会の決議を尊重する」と述べました。
中野洸会長「本当に喜びでいっぱいですが、同時に長かったなっていうのが実感です。28年の間にいろんなことがありました。決定の瞬間にそれらのことは全て忘れたと言っても過言じゃないぐらい本当に大きな喜びでした。この世界遺産を保存・活用して、いかに島を豊かにしていくかと言うことが重要だと痛感しています。」
インドの会場で決定の瞬間を見守っていた花角英世新潟県知事や渡辺竜五市長も、決定の喜びをあらわにしていました。
決定直後には岸田文雄首相から花角県知事に登録を祝う電話がありました。
花角英世新潟県知事「岸田首相からは、日本の宝から世界の宝になったということで、これをしっかり国として応援しますというお話をいただきました。」
佐渡市役所に設置されたパブリックビューイングでは、集まった市の職員や市民らおよそ60人が登録を祝い、庁舎には懸垂幕が掲げられました。
今回の「佐渡島の金山」の登録により、日本の世界遺産は26件となります。
また、登録決定から2日経った7月29日、史跡佐渡金山は夏休みシーズンも相まって観光客で賑わっていました。
史跡佐渡金山を運営するゴールデン佐渡では、特に今年は登録が決まった後から市民入場無料キャンペーンについての問い合わせが増えていて、登録を機に市民の関心が高まっていると感じているということです。
一方、構成資産である西三川砂金山の笹川集落では、史跡佐渡金山の賑わいをよそに、今日も日頃と変わらぬ佇まいを見せていました。
西三川ゴールドパークと笹川分校をジャンボタクシーで往復し集落をガイド付きで巡るツアーが始まっていますが、今のところ問い合わせが増えるなどの変化は見られないということです。
この世界遺産ガイドツアーは、8月末まで実施される予定で登録による利用者増加が期待されています。
また、当時の名主であった国指定史跡の金子勘三郎家が一部復元されていて、今後は期間限定での公開も予定しているということです。
現在は、茅葺き屋根の主屋が復元され、蔵など残り4棟が全て修理されたあとに一般公開を実施していく見通しです。
狭い集落だけに、佐渡市では懸念されるオーバーツーリズムにパークアンドライドなどを活用し、対応していきたいとしています。
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