佐渡SDGsフェア開催 ゲストにさかなクン

12月23日、より多くの市民にSDGsに関心を高めてもらおうと「佐渡SDGsフェア」が開催されました。

このイベントは、昨年度SDGs未来都市と脱炭素を先行地域に選定された佐渡市がSDGsの取り組みを推進するため、佐渡島自然共生ラボとともに初めて開催したものです。
今回は、SDGsの14番目のゴールである「海の豊かさを守ろう」をテーマに開催され、会場にはおよそ400人の市民らが集いました。
この日ゲストとして招かれたのは、ハコフグの帽子がトレードマークのさかなクン。東京海洋大学の名誉博士で客員教授も務めるさかなクンは、様々な魚の知識や海の環境問題などをテーマに全国各地で講演を行っています。

トークショーでは佐渡を代表する魚たちを取り上げ、クイズを交えながら独特な口調と即興のイラストで生態を解説しました。
コブダイの説明では、こんな珍しい生態も紹介。
さかなクン「なんとコブダイの若魚は全部がメスということが知られています。オスというのは最初からオスではないんですね。メスの中でいちばんからだが大きいメスがオスになるんです。このオスが病気で弱ってしまったり、けんかで負けてしまったり、あるいは釣りあげられてしまったりオスがいなくなっちゃうと、また、たくさんのメスの中から1ぴきがオスになります。とっても不思議なおさかなちゃんなんですね。」

また、ブリの説明では富山県の漁師に伝わる「木1本でブリ1,000本」という言葉を紹介。海の魚を守るためには、海に、たくさんの栄養を運んでくれる山々や木々を大切にしましょうと呼びかけました。
さかなクンのトークショーの後には島内の取り組みが紹介されました。高千で漁業を営む弾正明良さんは、寒ブリの一本釣りにこだわる漁師で古来から伝わる漁法を未来に残すため、現在若手漁師を育成していると話しました。
また、地元の子どもたちを対象に魚さばきや漁船の乗船体験を行うなど、漁業の楽しさを伝えていることも紹介されました。

続いて登壇した、漁師であり両津地区で飲食店を営む多田好正さんは、25年前から取り組んでいる学校給食の地産地消の取り組みを発表。
調味料を含め100%地元産の食材で取り組んだ給食の話題では、島内では生産されない砂糖をハチミツに置き換えるなど、試行錯誤しながらもやる気になればできると説明。課題は多いが、このような活動で少しずつでも理解が広がってほしいと話しました。
また、催事スペースでは、佐渡島自然共生ラボによる展示・体験コーナーが開設され、会場に訪れた人たちは、企業や団体の取り組みについて詳しく担当者に聞くなどSDGsへの理解を深めていました。

佐渡市の担当者は「家族連れも多く、親子でSDGsについて考える良いきっかけになったと思うので、一人一人の活動につながってほしい。来年も市民の関心が高いテーマで開催していきたい」と話しています。
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