高校生議会で市政に若者の意見を

高校生の考える佐渡市の課題などを実際の議場を使い佐渡市に投げかける模擬議会、「高校生議会」が8月18日に開かれました。

この高校生議会は、議会の仕組みなどを理解してもらうほか、島内の課題を知ってもらい高校生の意見を市政に取り入れようと3年前から佐渡市が実施しているものです。
今年は、昨年4月から開校している通信制の明誠高校を含む4つの高校と佐渡中等教育学校が参加しました。

はじめに議会事務局から、現在21人の議員が在籍していることや二元代表制で行われている議会の仕組みなどが紹介されました。
その後、各学校の代表者が佐渡市に質問をする模擬議会が開かれ、今年は初めてその様子がケーブルテレビで生中継されました。
羽茂高校の生徒は、もみじ山公園など素晴らしいのに知られていないことが多い。観光活性化のため、SNSやIT技術を活用し情報提供に特化した官民の合同会社を作ってみてはどうかと市に投げかけました。
それに対し渡辺竜五市長は、2018年に佐渡観光交流機構を立ち上げ、SNSを活用した情報発信に力を入れていることや、ナイトサップや海ほたる鑑賞会など、市民が発信するコンテンツが注目を浴びるなど、今後の発信のあり方などを話しました。
佐渡中等教育学校は、大雪災害で伐採した竹の処分や竹の活用方法を提案しました。
それに対し市長は、今回の大雪災害で1,200トン集まった竹を、現在はチップにして肥料や防草剤に活用していると説明しました。また、高校生から提案のあった竹を食用として活用することについては、森林組合などを含めて考え、研究していきたいとしました。
佐渡高校は、自分たち高校生や高齢者などが多く使用する島内の公共交通機関について質問しました。
市長は、交通問題については、クルマ社会の佐渡市では需要と供給のバランスの問題で、負のスパイラルが起きている。以前は、唯一黒字だった本線でも赤字になっている現状を挙げ、定額制で乗り放題といった利用促進などの支援を行っていることを説明する一方で、自動運転といった新たなサービスの仕組みづくりに取り組んでいることも紹介しました。
佐渡総合高校は、大雪の影響で1週間ほど停電となった自分たちの体験をもとに、普段から道路周辺の木や竹の管理についての提案がありました。
伊貝秀一副市長は、木々の伐採などについては、所有者の責任について行うものであるが、一般交通に支障を及ぼさないようにしなくてはならない。緊急的に交通の確保を行っているなどと話しました。
最後に明星高校から、やりがいのある仕事をすることで健康寿命延伸を目指すシルバー起業家の育成についてと、将来への備えとして子どもたちに対しを行う起業家育成について教育が果たす役割を問いました。
それに対し佐渡市は、人脈や資金などを持っているシルバー人材は貴重であり、銀行などと協力して支援できる仕組みを作っていることを説明。
子どもたちへの教育については、佐渡市でも課題解決型の職場体験を行うなど、自身で考えるキャリア教育を実施していることが紹介されたほか、学校を核とした地域づくりを行っていきたいとしました。
模擬議会の最後には渡辺市長が、質問を作る上で佐渡を学んできた時間が皆さんにとって大きなものになると思う。今回の我々の答えをさらに深掘りしていただき、意見交換できる別の機会を楽しみにしていますと締めくくりました。

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