羽茂の方言について考える講座

羽茂地区公民館主催の高齢者を対象とした生涯学習の講座の中で、方言を考える講座が開かれ、島内でも特徴的な方言が残る羽茂弁について参加者が理解を深めました。

「一生楽しく学ぼう」を目標に開催される「生涯楽習大学」と題した連続講座は、羽茂地区公民館が概ね60代からのシニアを対象に、学びの場としてはもちろん交流の場や健康寿命延伸を目指し、毎年開催しています。
先月30日には、羽茂の方言について考えようと題した講座が開かれました。当日は、佐渡文化財団の宇治美徳さんを講師に招き行われました。

両津地区出身で佐渡市の職員でもある宇治さんは、初めて勤務した地域が羽茂だったことから、島内でも特徴的な羽茂弁の魅力を地域の人とともに考えたいと今回のテーマを設定しました。
はじめに宇治さんは、羽茂弁の特徴がよく現れた「赤い大根」を意味する「あかきゃでゃあこん」を紹介します。
宇治さんは、こういった羽茂弁には、京都や名古屋方面、遠くは、長崎方面などから伝わった言葉が多く聞き取れるなど、羽茂村史や郷土史などを参考にした方言の特徴なども説明していました。
そして羽茂弁は、「あいさつ」を「やぁさつ」、「貝」を「きゃあ」、「野菜」を「やしゃぁ」など、音によって頭とおしりのどちらかが変わってくるなどとも説明していました。
その後、よく使われる羽茂弁を今回の参加者で番付けします。参加者たちは、自分たちがよく使う言葉を思い出しながら話し合い、番付を決めていました。
結果、西の横綱は、「腐っている」などを意味する「ねぐしゃぁ」東の横綱は、「そうだけれども」を意味する「そうだ ばってやあなぁ」に決まりました。
参加者たちは、日頃自分が使うアクセントなどを互いに確認したり、羽茂の歴史などにも触れ、地域に昔から残る方言を通じ言葉のルーツなども学んでいました。
最後に宇治さんは、「方言は文化的にもとても大切なものであり、豊な心を育てるものだと思う。核家族化が進む現代では、方言が残りにくい環境になってきているが、民話や芸能に触れ、地域内で高齢者とコミュニケーションをとる中で受け継いで行ってもらいたい」と講座を締めくくりました。
この生涯学習大学の講座は、今後佐渡にゆかりのある歌人長塚節の歩いた道や、古文書が伝える羽茂の歴史などをテーマにご覧の日程で開催されます。興味のある方は、羽茂地区公民館までお問い合わせください。

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