畑野地区宮川 宮浦まつり 高校生が舞う鬼太鼓

昨年に続きシリーズでお送りしている春祭りの特集です。このシリーズでは、「祭り~地域の人たちの想い~」と題し、祭りの様子とそれに向けた地域の人たちの想いに迫ります。第2回は、担い手不足の集落で大人と一緒になって鬼太鼓を舞う高校生を取材しました。

毎年4月3日に行われる畑野地区宮川の宮浦まつり。
その数日前、一宮神社の社務所で稽古に励むのは、この春高校生になった駒形凌さんです。

凌さんは、友人が鬼太鼓の裏打ちをしているのをきっかけ自身も獅子約などで祭りに参加するようになり、昨年からは鬼役も務めています。
そんな凌さんの影響もあり、今年は祭りに参加する子どもも増えたそうです。
古くから続く宮浦祭りですが、戦時中に1度その歴史が途絶え、昭和の中頃に復活。
宮川の伝統行事として、現在まで地域の人々に守られています。
しかし、次第に担い手が減っていき、昔あった鬼役の定年も今は無く、保存会の40代以上の人たちが鬼役を務めてきました。
そんな背景もあってか、大人と一緒になって鬼を舞う凌さんの姿に保存会の人たちや保存会会長で凌さんの父、駒形聖さんも期待を寄せています。
祭り当日、赤鬼を務める凌さんは、打ち出しの午前4時半から参加し各家々を回ります。
宮浦まつりは、順徳上皇の皇女が祀られているとされる一宮神社の例祭で、鬼太鼓が舞われる春祭りとしては、島内の先陣を切る祭りでもあります。
すり足などの能の要素を取り入れ赤鬼と青鬼が交互に舞うのが特徴の一宮鬼太鼓。
大人の青鬼役との息の合った舞に、地域の人からは拍手が送られていました。
この日は、畑野地区の公共施設や商店、住宅などおよそ90軒を門付けして回ったということです。
絶好の祭り日和となったこの日、若い世代が伝統を受け継いでいく姿に地域の人々の表情も晴れやかでした。

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