畑野の旧若林邸 保存・活用に向け新たな一歩

大正建築の意匠が色濃く残る畑野地区の旧若林邸を保存するため、東日本鉄道文化財団による支援がこのほど決定し、その承認証贈呈式が6月8日に行われました。

贈呈式には東日本鉄道文化財団の役員や旧若林邸の保存に取り組む一般社団法人佐渡古文化保存協会の代表理事などが出席しました。
旧若林邸は、内科医の若林篤之が大正2年頃に料亭を譲り受けて開業したとされる元診療所です。

建物は、洋館と日本館が接続されたL字型になっていて、窓枠の装飾や木製の手すり、幾何学模様のリノリウム床など、当時医院や料亭の主流だった西洋の趣向を取り入れた洋風建築の面影が随所に残っています。
そうした技術を取り入れた旧若林邸が貴重な建築遺産であると認められ、地域文化の振興を推進する東日本鉄道文化財団の支援が決まりました。
この支援により、旧若林邸日本館の屋根の雨漏りの修復、床の土台の差し替えなどが行われる予定で、この日財団の関係者らは、修復箇所などについて説明を受けながら、旧若林邸を視察していました。
佐渡古文化保存協会によりますと旧若林邸は、現在国の登録有形文化財へ申請していて、関係者らは、期待に満ちた表情で説明に耳を傾けていました。
東日本鉄道文化財団の太田稔専務理事は「よそでは見られない貴重な建物だと思います。子どもたちにとっても将来の宝になるので、大事に後世へ伝えられることを願っております。」と視察の感想を述べました。
贈呈式の後には、佐渡の食材を使った御前が振る舞われ、関係者らが新たな事業の門出を祝いました。
今後は財団と佐渡市、保存協会らで組織する事業委員会が旧若林邸の保存・活用について取り組みを進めていくということです。

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