地域活性化の拠点 岩首談議所16年の歴史に幕

老朽化により3月末で使用ができなくなる両津地区岩首談義所のお別れ会が、3月18日に開かれました。

閉校になった小学校を活用し、2007年から地元住民や行政、企業などの連携により地域活性化の拠点などとして活用されてきた岩首談議所。

立ち上げ当初から岩首談義所の代表を務める地域住民、大石惣一郎さんは島外の人に岩首の魅力を知ってほしいと関係者とともに活動をしてきました。
その甲斐もあり、今では岩首の棚田に多くの人が訪れています。
しかし、建物の老朽化により今月末で使用ができなくなることから、3月18日、岩首談義所のお別れ会が開かれました。
会は岩首の地域おこし協力隊として2021年から活動をする村山凛太郎さんが企画しました。
当日、午後1時30分からの開始予定でしたが、地域住民らの姿は数人のみ。
実は、関係者以外の地域住民に全面的な存続の理解を得られなかったことも、岩首談義所が幕を下ろす理由の一つになっています。大石さんは、新たな風を吹き込もうと様々な活動を行う一方で、地域の人たちに丁寧に説明できなかった部分もあった事を悔やんでいました。
それでも時間をおいて、地域住民や岩首談義所に思い入れのある人たちが徐々に集まり、お別れ会がスタート。
挨拶では、大石さんが旧岩首小学校の設立当時についても触れました。16年に渡り活動に関わってきた人たちへの感謝を伝えながらも、悔しい思いをにじませていました。
また、大石さんは、佐渡に移住者が増えている一方で、移住者と元々の住民が地域の課題を自分事として考え、折り合いを付けて新しい文化を創り出していくことがこれからの佐渡課題だとし、談議所はそのきっかけになれたのではないかと話していました。
お別れ会では集まった人たちが、これまでの思い出話に花を咲かせていました。
岩首談義所がなくなる一方で新たな動きも出ています。
 
大石さんや村山さん、住民や大学の准教授らで組織される、一般社団法人岩首めぶきラボが岩首談義所の後任組織として4月から活動を始めます。
 
活動の拠点は、地域内の施設や公民館です。
小学校としての128年間と地域活性化への足がかりや心の拠り所となってきた16年間、のべ2万人を超える人たちが利用した岩首談義所は、今月いっぱいで幕を閉じますが、新たな団体が地域住民たちを巻き込みながら次のステップへと踏み出そうとしています。
 
なお、岩首談義所は佐渡市に返還され、解体のための調査が来年度に行われる予定です。

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