佐渡の伝統芸能を未来へ紡ぐ「女たちのこころみ」

6月10日、「女たちのこころみ」が堀記念金井能楽堂で開催され、訪れた人たちが文弥人形など伝統芸能を楽しみました。

この日は、開演を前に会場の入り口で「水無月祓い」が行われ、関係者や来場者が設置された「茅の輪」を8の字に3回くぐりながら、この半年の汚れを祓い、残り半年の無病息災を祈願しました。
「女たちのこころみ」は、女性の視点で伝統芸能をとらえ、後世に伝えようと「佐渡の能を知る会」が主催しているもので、19回目を迎えた今年の公演には、およそ180人が足を運びました。

今回のテーマは、過去と未来を意味する「来し方 そして行く末」長年にわたり受け継がれてきた佐渡の伝統芸能を未来へ伝えたいという思いが込められています。
最初の演目「半蔀によせて・・・」では、源氏物語の光源氏と夕顔の君のはかない恋物語を生け花、狂言、仕舞の三部構成で表現しました。
続く佐渡民話の語りでは、赤泊地区に伝わる民話、「天狗塚の天狗」が佐渡民話語り部の会により披露され、巧妙な語りひとつで観客を民話の世界へと誘いました。

そして、女性を中心に結成された文弥人形座常盤座による「国姓爺合戦~紅流しの段・和藤内出世の段~」が上演されました。
この演目は、1715年に大阪で初上演された近松門左衛門作の人形浄瑠璃をもとにしたもので、中国人を父に日本人を母に持ち台湾を拠点に明朝の復興運動を行った鄭成功(国姓爺)を題材に脚色されたものです。
観客は巧みに操られる人形のしなやかさや、力強い動きで繰り広げられる物語に魅了されていました。
公演の最後には、金井小学校4年生の渡辺零冴さん、渡辺颯冴さん、中嶋悠騎さんの3人による仕舞が披露されました。3人は週に1回仕舞を習っていて、昨年の舞台にも立っています。
観客らは、子どもたちの堂々とした舞を鑑賞しながら、佐渡の伝統が確実に引き継がれていることを実感していました。

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