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伝統
正法寺で世阿弥を偲ぶ ろうそく能
正法寺で世阿弥を偲ぶ ろうそく能
2024年7月4日
伝統
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芸能
金井地区
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伝統
世阿弥に縁がある金井地区泉の正法寺で6月28日にろうそく能が開催され、訪れた人たちは幽玄の世界を楽しみました。
2005年に始まった正法寺ろうそく能は、佐渡に配流された能の大成者 世阿弥を偲ぼうと佐渡の能を識る会などが主催しているものです。
ろうそくの明かりの中で舞う能を楽しもうと、観光客など含め正法寺にはおよそ190人が訪れました。
はじめに僧侶らが舞台となる本堂を清める浄道場を行います。
そして能の上演前に元NHKアナウンサーで能や歌舞伎など古典芸能に造詣の深い葛西聖司さんによる講演が行われました。葛西さんは能を楽しむポイントや、この後に上演される源氏物語に描かれる光源氏と夕顔の恋物語を題材とした能「半蔀(はじとみ)」について、ユーモアあふれる語り口で解説しました。
その後、ろうそくに明かりがともされ舞台が始まります。
格子状の上部を釣り上げ開く建具「半蔀(はじとみ)」をタイトルにした演目は、光源氏がその半蔀に見え隠れする女 夕顔に興味をそそられ情熱的な恋が始まります。
しかし、幸せな時間もつかの間で夕顔は殺されてしまい、短い恋は終わりを告げます。後半には夕顔の霊が光源氏との出会いを思い出し、懐かしみ舞うというものです。
夕顔を演じるのは、観世流能楽師で重要無形文化財総合指定保持者松木千俊さん。その儚い恋物語を優美な舞で表現していました。
ろうそくの明かりで作り出された幻想的な雰囲気は、観客を幽玄の世界へといざなっていました。
さらに、今回は半蔀の演目に出てくる花にちなみハランという植物を千本も集めた昔からこの地域に残る生け花が手向けの花として用意されたほか、世阿弥が雨ごいの舞いで用いたとされる県指定有形文化財の雨乞いの面が公開され、訪れた人は世阿弥に思いを馳せ、地域文化に触れる一夜を過ごしたようです。
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