小木町の町並みについてのシンポジウム

今後の小木町の町並み保存と活用について考えるシンポジウムが7月6日に開催されました。

このシンポジウムは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された佐渡市小木町伝統的建造物群保存地区の保存・活用を考えようと佐渡市が主催したものです。
はじめに渡辺竜五市長が主催者を代表して挨拶に立ち「今回の登録によって明確な評価を受けることができたことは、取り組む者にとって大きな誇りとなりステップにつながる。この誇りとステップは、ここに住む子供たちがこの街をもっと好きになって、文化や歴史を好きになってくれるきっかけになる」などと話しました。
小木町は佐渡金銀山の積出港として湾曲した入江に沿ってできた港町で、佐渡市によって伝統的建造物群保存地区に指定されている小木町の港周辺の一部13.3haの範囲が、今年5月に行われた国の文化審議会で重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
基調講演では、佐渡市伝統的建造物群保存地区保存審議会委員で、京都工芸繊維大学デザイン・建築学系の清水重敦教授が「佐渡の町並みはなぜこれほど多様なのか~小木町の重伝建選定を通して考える~」と題し講演を行いました。
講演では、町並みとは自然環境に人が長い時間をかけて働きかけて出来上がったものであるとし、伝統的な暮らしの習慣と生業によって個性が生まれるなどと、これまで多くの街並みについて研究した上での持論を展開しました。
また、清水教授は小木の町並みだけでなく、先に重伝建に選定されている宿根木地区や両津地区、相川地区などの街並みを通して島内の街並みの特色や多様性を紹介しました。
最後は、元長野県塩尻市文化財課長で小木町の重伝建選定にも尽力した渡邊泰さんがコーディネーターを務め、パネルディスカッションが行われました。
5人のパネラーは、小木町の重伝建選定の感想や重伝建選定により小木町をどうしたいか、小木町の町並み保存においてこれだけはやってほしいこと、あるいは守ってほしいことといったテーマをもとにそれぞれの立場から意見を交わしました。
宿根木を愛する会の濱田嘉夫会長は、宿根木と小木の連携した取り組みへの期待とともに、すぐにでも取り組めるよう体制を整えていく必要があると述べました。
また、小木町並み保存推進委員会の岡崎拓夫委員長は重伝建選定を受けて、10年後の小木の町がどうなっているかについて妄想が入っているとしつつも、店や多くの人で賑わうなどと期待を込めて語りました。
会場を訪れた一般の参加者らは、小木町の伝統的な街並みの価値を学びながら、保存と活用について出席者とともに考える時間を過ごしたようです。
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