佐渡ジオパーク日本認定10周年記念式典イベント

今年日本ジオパーク認定10周年を迎えた佐渡ジオパークの記念式典が7月8日に開かれ、島内外から多くの関係者が詰めかけ節目の年を祝いました。

アミューズメント佐渡で開催された記念式典には、佐渡ジオパーク推進協議会の会員をはじめ、設立から認定、普及に携わった多くの関係者が出席しました。
始めに協議会会長の渡辺竜五市長が挨拶に立ち、この10周年を機にジオパーク認定によって生まれた人の動きなどを改めて認識するとともに、美しい自然や豊かな文化、食を未来の子供たちにしっかり伝えていくことが、私たちの責務であると来場者に呼びかけました。

来賓の祝辞に続いて、協議会指導者の相田満久さんが佐渡ジオパーク日本認定10年の歩みを紹介しました。
認定に向けた動きは、ジオパーク準備室の設置から始まり、その価値を周知するため、市民講座などが開催されました。
そして、活動の中核となる佐渡ジオパーク推進協議会を設立。佐渡ジオパークガイド協会も発足し、2013年日本ジオパークに認定されます。
その後、4年に1度の審査でジオサイトの選定や保護・保全に対して課題を指摘され、条件付きで認定されますが、一丸となってその課題克服に臨み、2019年正式に再認定されました。
今は、金銀山やジアスなどとの連携やメディアや書物を通した普及活動など、新潟県域をはじめとしたほかの地域との幅広いつながりを求め取り組んでいるとしました。

続いて、佐渡ジオパークの活動に貢献のあった個人団体に感謝状が贈られました。
この後、日本ジオパーク委員会委員で、高知大学で講師を務める新名阿津子さんがサスティナブルなジオパークと題し、基調講演を行いました。
講演の中で新名さんは、世界各地の化石採掘の様子を示しながら、私たちの足元には地球の記憶が刻まれているとし、ジオパークを推進ことは、人類共通の歴史を見つけていくことだと持論を展開しました。
そして、地質遺産の喪失危機に直面した学者などの提唱により始まったジオパークの歴史や理念などを解説しました。
渡辺市長も、パネリストとして参加したパネルディスカッションでも、活発な意見交換が行われました。

過去の海洋環境を研究する古海洋学が専門の新潟大学理学部教授松岡篤さんや世界ジオパークに認定されている島根県隠岐で認定に向け尽力し、日本ジオパーク推進機構事務局長としても活躍する野邉一寛さん、そして今や時の人「推しの子」などの漫画原作者で佐渡出身の赤坂アカさんら、4人がパネリストとして参加。
コーディネーターを務める新名さんは、自己紹介を含むパネリストからの佐渡ジオパークに対する思いを聞いた後、会場から質問や要望を募ります。
ジオパークの魅力について、素人目線で率直な感想を述べる赤坂さんへ共感が寄せられたり、島内資源の活かし方について、隠岐ジオパークとの共通点や相違点を野邉さんに求める質問が出るなど、会場も一体となってジオの魅力を探っていました。
日本ジオパーク認定10周年を迎えた佐渡ジオパークは、今年11月にまた4年に1度の再審査を控えています。
佐渡市では現在、9月に提出する再審査に向けた申請書を作成しています。
過去4年間の活動報告や前回の再審査で指摘された課題に対する進捗度合いをまとめるなど再認定に向け取り組んでいるということです。

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