能舞台焼失の二宮神社薪能 場所を変更し開催

8月19日、火災の為焼失した能舞台で開催を予定していた二宮神社の薪能が、場所を金井能楽堂に変更して開催されました。

毎年8月の3週目の週末に開催され、今年で20回目を迎える二宮神社の薪能。当初は佐和田地区の二宮神社で開催される予定でしたが、8月4日に発生した火災で能舞台が焼失。金井能楽堂に変更し行われました。
受付には募金箱が設置され、おととし発生した本殿の焼失と併せ、訪れた人たちが二宮神社の再建を願い、次々と寄付をしていました。

午後6時、土屋家親子3代による仕舞で幕を開けました。
その後、剣舞、雅楽演奏、能の4部構成で行われました。
訪れたおよそ160人の観客は力強い舞と壮大な音楽に魅了されていました。
最後を飾るのは、静岡県の駿河の国が舞台の羽衣伝説をもとにした能の「羽衣」です。物語は、漁師の白龍が松の枝にかけられた美しい衣を見つけるところから始まります。
衣を持ち帰り宝にしようとしたところ、天人が現れ、容易く人間に与えるものではないから返して欲しいと伝えるものの、白龍はなかなか返しません。
しかし、衣がないと天に帰れないと悲しむ天人を見て、心を痛めた白龍は舞を見せることを条件に羽衣を返します。
羽衣をまとった天人は、舞を披露し空高くへと消えていきました。
観客は、幽玄の世界を堪能し、写真や動画を撮るなどして鑑賞を楽しんでいました。
能舞台焼失の悲しみとともに迎えた二宮神社の薪能。実行委員会は、一刻も早く火災の原因究明を願い、薪能を後世に残していくための話し合いを進めていきたいとしています。

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