秋津で発見された古墳の調査報告会

今年4月に両津地区秋津で4世紀頃の築造とみられる前方後円墳が見つかったことを受けて、その報告と現地見学会が秋津の住民を対象に開催されました。

両津郷土博物館で開かれた報告会には、秋津の住民などおよそ60人が参加しました。これは、文化財保存新潟県協議会が今年4月に加茂湖西側の秋津の丘陵に、古墳時代前期の築造と推測される前方後円墳2基を発見したことを受けて行われたものです。
報告会の中では、文化財保存新潟県協議会の石崎悠人さんが、今回の古墳群の発見に至った経緯について説明しました。
 
石崎さんは、近年の高精度な地形データのおかげで未知の遺跡が多く発見されていると言い、秋津の古墳群も今年3月に国土地理院による佐渡の一部の高精度な地形データの公開により、それをもとに立体地図を作成したところ、古墳らしきものを発見したと説明しました。
また、現地調査で中心的な役割を担った協議会会長で新潟大学名誉教授の橋本博文さんは、中期古墳すら見つかっていなかった佐渡での発見は、これまでの佐渡最古の古墳から一気に100年以上も遡る大変貴重な古墳であるとし、さらに、これまで日本海側で最北とされてきた新潟市西蒲区の古墳より北側であり、北限の書き換えになる大発見であるとしました。
また、加茂湖湖底のボーリング調査などをもとに古墳時代の加茂湖の形成、土器の発見などから当時の水上交通の様子が伺え、東北地方に勢力を拡大しようとしていた大和王権とのつながりが見受けられるとしました。
また、会では新潟大学名誉教授の池田哲夫さんが「秋津の昔」と題して講演しました。池田さんは、この地域は神の宿る聖地と認識されていたことで、当時の有力者が自分の墳墓として前方後円墳を築造していても不思議ではないとしました。
報告会の後には現地見学会が行われ、博物館のすぐそばの湖畔に点在する古墳を巡りました。
この度発見された古墳は、前方後円墳2基、円墳5基のあわせて7基の古墳群で、全長35メートルの1号墳は、大きく土が盛られた古墳独特の形状を確認しました。また、1号墳と2号墳はともに盗掘にあっていることなども説明されました。
現地を見学した参加者は、説明を聞きながら地元で発見された貴重な古墳群に驚くと同時に、歴史的な発見を誇らしく感じているようでした。

最新情報をチェックしよう!