自治体連携を再確認 世界遺産登録推進県民会議

官民で参画する佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議の令和5年度の総会が5月27日新潟市で開かれ、今年予定されているイコモスの現地調査の対応に国や県、佐渡市が連携して取り組むことを再確認しました。

自治体の代表や議員のほか、産官学の関係者ら250人が参加した総会では、まず共同代表の花角英世県知事が佐渡の金山の価値を国内のみならず、世界各国の多くの方に理解してもらえるよう、取り組みを進めたいと挨拶。
その上で今年夏から秋と見られているユネスコの諮問機関国際記念物遺跡会議、イコモスによる現地調査の対応へ連携して取り組むことを強調しました。

県民の悲願である世界遺産登録に向け、全力で取り組む姿勢を改めて示しました。
続いて、登録に向けた現状報告が県の担当者から行われ、佐渡の金山の世界文化遺産の価値が改めて説明されるとともに、今後の取り組みが示されました。
この後、2021年に世界文化遺産となった北海道北東北の縄文遺跡群の登録推進に関わった三内丸山遺跡センター所長の岡田康博さんが講演を行いました。
登録までの歩みや、縄文遺跡群の価値などを述べた岡田さんは、登録後の変化として来訪者である若年層や外国人の増加を上げ、多言語化など見学者への対策が必須であると持論を展開、そして佐渡の金山へのエールとしてイコモスの現地調査が登録のためには、非常に大事になると強調し、念には念を入れたリハーサルが効果的だと参加者に呼びかけました。
日本としては、直近である世界文化遺産登録の先輩の言葉に参加者も真剣に耳を傾けました。
この後、構成資産の西三川砂金山で取り組まれた笹川集落の活動やその成果が、笹川の景観を守る会の副会長盛山保さんから発表されました。
景観維持や美化活動など集落が一体となって取り組んできた成果を報告すると同時に、今後の課題としてガイドの育成や守る会役員の後継者育成を挙げています。
県民会議では、最後に渡辺竜五佐渡市長が壇上に上がり、再度イコモス対応について決意を語りました。そして、早ければ来年にも実現する世界遺産登録に向け、よりいっそうの支援を呼びかけました。
佐渡の金山は紆余曲折の末、今年1月19日に国がユネスコに正式な推薦書を提出、3月には、ユネスコが諮問機関のイコモスに推薦書を送付しています。
今年サウジアラビアで開催予定の世界遺産委員会では、説明が不十分だとされた明治日本の産業革命遺産の朝鮮出身者の強制労働について再度審議されます。
強制労働の実態掲示などについて、日本がどのような報告を行うのかが焦点となっていて、佐渡の金山の登録に影響が出る可能性も指摘されています。
順当に行けば、来年春頃にイコモスが審査結果をユネスコに勧告し、夏頃に世界遺産委員会で登録についてその可否が審議されます。

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