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真野地区の大膳神社で薪能 幽玄の世界へ
真野地区の大膳神社で薪能 幽玄の世界へ
2023年6月8日
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世阿弥
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伝統
6月4日、島内に現存する能舞台としては、最も古いとされる真野地区竹田の大善神社で薪能が行われ、観客らが幽玄の世界を堪能しました。
午後7時、客席脇に設置された薪に火がくべられ、薪能が始まりました。
大膳神社の能舞台は、佐渡宝生流大夫家である潟上本間家が、佐渡に能楽を広め定着させるための重要拠点として由緒ある舞台とされています。
はじめにセリフを中心とした喜劇狂言が鷺流狂言研究会により「鬼瓦」が演じられました。
県の無形文化財に指定されている佐渡鷺流狂言は、昭和30年代には消滅したと思われていましたが、昭和50年代に旧真野町で伝承者が発見されたことにより再興され、現在では佐渡鷺流狂言研究会が伝承活動の活発化、技能の向上に励んでいます。
「鬼瓦」では、訴訟に勝った遠国の大名が太郎冠者をつれ参詣します。大屋根のいかめしい鬼瓦が自らの女房にそっくりに見えた大名が、女房に早く会いたいと大泣きするところが見どころの狂言です。
最後は、大名と太郎冠者が声を合わせて大笑いして終わる笑い止めで幕を閉じました。
続いて、地元住民らからなる真野能楽会によって、佐渡における能楽の大成者、世阿弥の作とされる「高砂」が演じられました。
能の演目「高砂」は、夫婦愛と長寿を祝福する大変めでたい演目で、笛や太鼓の音に合わせてシテが優雅に舞うところが見どころです。
訪れた200人余りの観客は、薪の炎と暗闇に浮かぶ能舞台で演じられる、幽玄の世界に魅了されていました。佐渡市では、10月にかけて各地の神社などで薪能が行われます。
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